病院の夜はとても静かで1人きりで病室にいると孤独感を感じた。


薄暗い部屋の中、日中寝ていた事もあり頭だけは冴えていた。


ふと手の感触が甦ってきた。


いつも見ているだけだったあの手のひらは、予想よりも大きくて、あたしの手をすっぽりと包み込んでくれた。


抱き抱えられた時の腕の中は、この世の全てから守られてるかのような安心感と夢心地にいる気分とさせてくれた。


いままでに感じたことのない恐怖から救い出してくれた今日の陸さんを、あたしはこの先一生忘れることはないだろう。


あの鼓動と共に心の中に深く刻まれた。


不謹慎だとよくわかりながら、益々好意を抱き気持ちは膨らむばかりだった。


いつまで抑えていられるだろうか…。


今にも破裂しそうで苦しさが増していく。