「―――っ」





……ギュッと、胸が苦しくなった。



覗きこんだハルくんの瞳は、悲しそうで、吸い込まれてしまいそうで。



……どうしてハルくんが、そんな顔するの?

わたしのためってなに?

それは一体、どういうこと?

そう心で訴えかければ、ハルくんは察したのか、またゆっくりと話し始めた。





「………ケーキを買ってきて僕を宥めようとするはなが可愛いから、別に甘いのとか全然気にならないし」



「……うん…」



「免許とったことをはなに言ったら連れてってとか言い出しそうだし。そんなの免許取り立てで事故とかおこして、はなを危険な目に遭わせたくないし」



「………うん…」



「……東京の大学とか行ったら、……はなに会えなくなる」



「……っ…」



「……だから、作文にあんなこと書かれて、正直あせ――…「ハルくんっ…!!」」



ハルくんが言い終わるまもなく、わたしはハルくんに抱きついた。


うわっとハルくんは焦った声をあげたけど、そんなの知らないもん。




やっぱりハルくんは、どうしようもなく大好きだ。