「……侑磨くん、すごいの読むんだね……はは…」


「ユウはもう、家入れない」





しかめっ面でそう言うハルくんは、珍しく本気らしい。

あーあ、ドンマイ侑磨くん。



まあ、世間一般で言うと、ハルくんが少数派で、侑磨くんが健全な男子ってことになるんだろうなあ、きっと。



「……それにしても、ほんとにハルくんは、あんな本持ってないんだね……」


「うん」



「………なんで?」



「………なんでって…」



わたしの質問に困ったのか、ハルくんは少し間をあけて、強いて言うなら、とわたしの胸に触れてきた。


「は、ハルくん!?」



いきなり触られ、びっくりして後ろに仰け反ろうとするも、すでにハルくんの手が腰に固定されていて、身動きが取れない。


そして、








「……強いて言うなら、………触れないから」



ニヤリ、怪しい笑みを浮かべながらわたしにキスをしてきたハルくんは、………侑磨くんよりもたちの悪い健全な男子だと思った。









【男の子】-+Fin+-

まあつまり、僕ははなにしか興味がない。