『言っとくけど、あれハルのじゃないよ』



「…………へ、」



『いや、だから、アレ俺のだし』



「う、そだ………」



口をあんぐり開けたままその場でショートするわたし。

嘘じゃないよーという声が聞こえてきて、いろいろな思いが混ぜ合わさって…あぁ、混乱。





………つまり、侑磨くん曰わく。
この前ここに来たときに、ハルくんがあまりにもそうゆうのに興味がなかったから、少しは男らしくなってもらおうと、侑磨くんが持参して持ってきたモノ…らしい………。


……あぁ、なる程。


それで侑磨くんはその本をそのまま忘れちゃって、ハルくんは捨てるわけにもいかず引き出しに入れていた、と。







――――――――――――――――――――――――――…





「…………良かっ、たぁ…」


今度こそ、安堵の溜め息をはく。

本当に、心底安心した。


だって、ハルくんがあんなの読むなんて想像もしたくないっていうか、そもそも探していたのは弱みを握るためだから、ほんとにはないでほしいし……。



「……なに、僕があんなの持ってるとでも思ってたの?」


「ち!違っ…わない……けど…」


疑っていたのは確かだったから、否定はできない。


それでも、結果的にアレはハルくんのじゃなかったし!!
結果オーライだろう!