アキラさんの部屋に入るとすぐにどーんと置かれたケインの荷物。

「これ最初から持っていくつもりなかったんじゃない？」

あまりの大きな箱にたくさんの作品が入っているんだと思われた。


「どうして、アキラさんちにケインの荷物送られてくるんだろうね?」

「あれ、知らなかったの？


あの二人一緒に住んでるんだって。

ついこの間のことだけどさ。

ってなんで俺のほうが詳しいんだ？」

「あっ、そうだったんだ。

びっくり！

同棲してるんだ。」


「いや、そうじゃない、シェアルームしてるだけ。


ケインのマンションの前が今工事始めて凄くうるさくて寝られないからこっちに越してきたって。

あの二人付き合ってるとかそんなんじゃないよ。」


「そうなんだ。」


二人がくっつけばいいのにな、なんて思っていたから少し残念。


「重たそうだね、持てる？」


箱を持ち上げるとすごく軽くて、上にメモが貼り付けてあるのを読むと


傾けたらダメ、慎重に移動させてちょうだい。

と書かれていた。





だから、電車を諦めて二人でタクシーに乗って行くことにした。



ケインの仕事場につくとその中身を見ることができた。

ウェディングドレスが入っていた。