左手に強く握り締めた東京行きのチケット。


ボードの音に反応して上を見上げる。

ボードは、[東京行き8時45分発 搭乗案内中]と表示していた。


煩わしい手荷物検査を受け、金属探知機の扉を通る。


その先に広がる風景の中の大きな機械の塊。

これが僕とサヤカを繋ぐモノだと思うと不思議で仕方が無かった。


飛行機をガラス越しに見つめ、空を見上げサヤカを想う。


目を瞑って深呼吸する。



サヤカは僕に「愛」を教えてくれた。

サヤカは僕に「生」を与えてくれた。



僕がサヤカに出来る事。

サヤカが僕にしてくれた事。



その全てを確かめる為に。



僕は「今まで」にサヨウナラをして、「今から」に逢いに行く。



僕とサヤカが出逢った事。


コレは必然…



僕は瞑っていた目を開け、飛行機に乗り込んだ。