大切な記憶





***




ここどこ?





なんで私真っ暗の中にいるの?






「お前が居れば十分幸せだ。」




温かい温もりに包まれる。



誰?



顔がぼやけてて見えないや…




「大丈夫だよ。」




…うん、大丈夫。




そう、あの頃は大丈夫…大丈夫だった。






「お前なんかどうでもいいんだよ。」




え?




急にどうしたの?




「どっかいけよ。もうお前は帰ってくるな。」




何…言ってんの?




胸が痛い…心臓が張り裂けそうなくらい痛いよ…




寒い…寒いよ…




あた…まが…い…たい…




「もう、お前とは会うことがない。さようならだ。」




まって!!



まってよ!!




私を…私を!!独りにしないで!!!




足に錘でもついているのかって思うくらい一歩も動かない。




なんで!?動いてよ!!



まって!



手を伸ばす。



しかし、いくら手を伸ばしてもその人に近づくことができない。




そればかりか広がっていく一方だった。





暗闇の中に独り取り残された__