お葬式には人気者の彼女に会いに、とてもたくさんの人たちが集った。



みんな、泣いていた。


1週間前、卒業式で共に過ごした彼女がもういない。


人の死の突然さに俺はただ驚くだけだった。


そんな中、遺影を瞬きさえせずにただ見つめている親友、相良葉月の姿があった。


葉月は俺の親友でもあるが、結の彼氏でもあった。



彼女の死を目前にしているのに、涙ひとつ流さない彼の冷静さに不覚にも感心さえしてしまった。



葉月は常に冷静だった。


無邪気で陽気な結とはとても対照的な人間であった。


「葉月」