「はあ!?お前それどう言う事やねん!!!言うてみろ!!!」


案の定、晴久は博愛を怒鳴りつけた。


「もう疲れてん…ハルの勝手な性格にも、お義母さんの気まぐれにも。」


泣く事もせず、淡々としていられる自分が凄いと思った。

隣の部屋から美嘉の笑い声が聞こえる。


「美嘉には会ってもらって構わへん。慰謝料も養育費もいらへん。ただ離婚してもらえたらそれでええねん…ぅち、どうしてもハルがな、ぅちと美嘉を大事にしてくれてるとは思われへんねん。自分の事ばっかやん。ハルが最初言ってたみたいな苦労と違うねんもん。こんな訳わからん苦労やったらしたないわ」


息をつかずに喋った。

結婚が決まった時、晴久は博愛に

【金の苦労はさせてまうけど、それ以外の苦労はさせへん。こうなったらお前ら二人を絶対幸せにするわ】

そう言った。

確かに金銭面の苦労はいつも絶えなかった。

最も、原因を作り出していたのは晴久だったが…


「そんなもん言い訳やろ!!!帰ってこい!!!」

「嫌や。ぅち帰らへんで」


毅然とした態度にも限界が来そうだった。

車の中で出し切ってきたはずの涙が、また込み上げてきた。