幼なじみ

ーSIDE Kanataー

『暁くんはそんな人じゃないから大丈夫ですー』

元気そうな梨奈の声が頭に入る。



なんだよ、"暁くん"って。


"そりゃー、好きな人ができたか、彼氏ができたか。その2択だろ"

悠斗の言葉が頭に浮かぶ。


「……滝川、お前の彼氏…なのか?」

気付いたらそんな言葉を口走ってた。


それで"うん"って言われたらどーすんだよ。

おめでとう、って言えんのか?

いや。言えねえ。

『違うけど……』

はぁぁぁぁ。

よかったー。



『けど…好きな人…ならいる』



「は?」


『え、あ、明日の準備するから切るね!あ、暁くんにはあたしが好きな人いるってことは内緒にしといてね!じゃーね』


そう早口で言って電話は切れた。



……誰だよ、好きな人って。



まさか、滝川か?


……うそ……だろ?




梨奈の好きな人について考えていたら





ケータイの着信音が鳴った。




「もしもし?」

『ね、奏汰くん?明日ってヒマかな?』


……誰だよ。

そう思い画面をみると"真由"と書いてある。


あぁ、あいつか。


「ヒマだっつったら?」


『水族館無料招待券もらっちゃって。だから一緒に行かない?』


梨奈が行くとこだ。



梨奈を滝川から奪えるかもしんねぇ。


「行く」


そう言って俺は電話を切った。