始まりの春、終わりの冬


カツカツカツ…。


海斗が階段をおりる音がした。


「あ~あ、ふられたか…。」

海斗の声ゎとても弱々しい。


「分かってたのに、やっぱ無理だわ。…ふられても泣かねぇって決めてたのによォ…。」




情けねぇ…。


海斗は、その場に座り込んだ__。









・・・



実夢は、教室に戻っていた。

『海斗、教室に戻ってきてない』

先にいったはずなのに、どこいっちゃったんだろう。


実夢の目は少し赤くなっていた。

そんな私に気づいたのか、美香子が心配そうに話しかけてきてくれた。


美香子は、入学して初めてできた女友達だ。私のとても大切な友達…


「どうしたの実夢?泣いたでしょ?」


「美香子…。」

美香子には、見透かされてるみたい。

でもすごく安心できる…。私の親友。


「どうしたの?なんかあった?」


「うん…。」


また泣けてくる。


「いったん教室からでよ?」

「ぅん…」


そして教室を出た。


廊下の片隅に行くと、美香子が話をきいてくれた。







「そっか・・・。」

美香子にいまさっき起こったことを全て話した。美香子なら誰にも言わないことを私はしっているから、


「これで、海斗が話してくれなくなったらどうしよう…。海斗とは、ずっとずっと友達でいたい…。海斗を傷つけ…ちゃ…ったかな?」


海斗…。


「実夢…。私は海斗がそんなやつじゃないと思うよ?それに、好きじゃないのにつきあったらもっと海斗を傷つけることになる。」


「うん…。」


「だから、だから実夢はわるくなぃ。お願い。そんなに悲しい顔しなぃで?」


「うん。ありがとう、美香子…。」


「さぁ!教室戻ろ。涙ふいて」

美香子が私の頬に触れて、優しく涙をふきとってくれた。

『ありがとう。美香子…。本当に大好きだよ』


こんな言葉恥ずかしくて言えないけどね。




そうして私と美香子は教室にもどった。




教室に戻ると、海斗がいた。
海斗も、少し目が赤い気がする…




自然と海斗から目をそらしてしまう。


そしてそのまま、自分の席へ座った。
授業が始まったけど、全然集中できない。


考えれば考えるほど思い浮かぶのは、海斗のことばかりだ。

『海斗…。』




私は、間違ったことはしていないと思う。だけど自信がもてないのも、悲しくなるのも…


それは、海斗が大切な友達だから…。





キーンコーンカーンコーン


そんなことを考えていたらあっとゆうまに時間がすぎていった。



『今日ははやく帰ろう』

実夢は、けだ箱へむかった。





玄関にいくとそこには


「海斗…?」



海斗がいた。

心臓が跳ねる…





「海斗!!」



海斗がこっちを見た。



「海斗。これからもいつもみたいに話して…く…れる?友達でいられる…よね?」



胸の奥にあった不安がどんどん溢れていくる。


私、なにやってるんだろう。海斗困ってるじゃん……。

『海斗…ごめんね…困るよね。』

ごめん…海斗。






「……ばかじゃねーの」

「え?」

思わぬ言葉でビックリした。

「友達のまんまに決まってる、当たり前だろ。ごめんな。そんなつもりじゃなかったんだ…。ただ、気持ちの整理がまだできないんだ」


実夢をこんなに悩まさせて、僕。なにやってんだ…




「うんん。私こそごめんね。海斗の気持ち、全然分かってなかった…。おまけに海斗を困らせちゃ……………って!!か、海斗!?」





海斗が急に抱きしめてきた。

「えっ?ちょ、か、海斗?//急にどうしたの?//」

びっくりしすぎて頭がついていかない


「ごめん…実夢に心配かけてたんだね」


「だ、大丈夫だよ、だから…腕はなして//」

恥ずかしいよ…//


「実夢、僕のこと心配してくれたんだよね。そんな可愛い実夢、やっぱり諦めきれないよ…あのさ実夢…今日だけは、僕の物になってくれない…。」

実夢を好きだから、心配かけた分、実夢を笑顔にしたい。

あと…最後の思い出に。



「…え?海斗の物…?」


「うん。僕とデートしてくれない?」