…里留くん?


実夢は振り向いた。








…そこに立っていたのは、海斗だった。


「ど、どうしたの?海斗?」

里留くんじゃなかった…、

「ちょっと付き合ってもらっていいか?」


「うん、いいよ」

・・・どうしたんだろう?

実夢は少し気になったけど、何も聞かづに
海斗へついていった。



屋上にでると、海斗が振り向いた。




いつもとは違う海斗の表情。
男の子の顔だ。



"ドキッ"

実夢の胸が少し跳ねた



「海斗?どうしたの、屋上なんかにつれてきて」


「……」

なにもいってくれない。

髪の毛の隙間から見えた海斗の顔が真っ赤だ。


「海斗?」

どうしたんだろう。

「みゆゆん、いや、・・・実夢。僕と…僕と付き合ってください」


「え…」


「僕、入学式のとき実夢に一目惚れした。だから一緒のクラスになれたときすっげー嬉しかった。実夢のことが好きだったから」


海斗の言葉が、すごく直球だからかな?

すごく嬉しい…でも


「その…ありがとう。すごく嬉しい…///でもね、私には・・・」


「うん…。」

私の言葉をさえぎるように海斗がうなづいた。

すごく悲しげな表情で…。


「私には、好きな人がいるの…。海斗とは付き合えないよ…。」

ごめんね…。海斗…





「知ってた。」


「え?」

今、なんていったの?


「実夢の好きな人って、神谷 里留だろ?分かりやすすぎだよ。(笑…)」

思わぬ言葉に動揺がかくせない。

「う、うん…」


気づいてたんだ_。

でもそんなに、分かりやすかったかな?




「僕、自分の気持ちどうしても伝えたかったんだ。そしたら実夢、すこしでも僕のこと意識するようになるだろ?実夢が困るの知ってて告白したのは、ごめんね。」


「…うんん。すごく嬉しいよ?でもね、海斗…。やっぱり私は里留くんが好きみたい。」


なんか胸がいたいなぁ…

海斗がそんな悲しい表情してるから、私も悲しくなってきたかも。




「・・・そんな、辛そうな顔すんなよ…」


「ごめん」


「謝るなって、」


「ごめん…ね」


「・・・」



海斗はそのまま、私の頭をなでてくれた。


そして、最後に


「ありがとな…」


そう耳元でささやいて、先に行ってしまった。



「ごめんね…。海斗…」