「ひどくなんかないもん!変態じゃんかっっ!!」



「はいはい、もう分かったよー。それより…今から出るよ?」


玲央くんは急にそんなことを言い出す。



「えぇ…っ!?」



「だから早くしてね?玄関で待ってるから」


また訳の分からない発言に私はかなり驚いた、んだけど…
玲央くん普通にそう言って玄関の方へと行ってしまった…―。




「……。」




な、何あれ…?今日は全部が急すぎるってば…!!
てか私も準備しなきゃ!また玲央くんが待ってる…っ!!




「…おまたせ…しました…っ」



「じゃあ行こ?」


一旦部屋に戻ってから玄関まで行きパンプスを履くと、
準備万端だった玲央くんに手を引かれながら玄関を出た。



「…ねぇ、玲央くん」


エレベーターに乗り込み1階に降りようとしている。



「何?」



「…どこ行くの?」



「ん~……決めてない」



「っっ!」




えぇ~っ!?何その感じ!




「未亜ちゃん、行きたいとこある?」



「えっ、と~……」


急に話を振られて戸惑う。




きゅ、急にそんなこと言われても…。




「あっそうだ。一応デートだから」


すると突然、玲央くんから“その言葉”が降って来た。



「え…?」




そうなの…っ!?


玲央くん、やっとデートしてくれるの…!?すっっごく嬉しいっ!!
デートかぁー…。ん~……デートといえばやっぱり…!




「ぁ…じゃあ……水族館!」


いきなり言われたことにも関わらず私の胸は躍り跳ねるような感覚になり何故か自信満々にそう答える。




デートの定番といえばこれでしょ!?って。私は思ったんだけど…。




「水族館…?」


玲央くんはノリ気じゃない…?ような表情をする。
そんな中、エレベーターは1階へと着いてしまった。



「えっうん……だめ?」



「そんなこと言ってないじゃん。…じゃあ行こう、水族館。」



「うんっ!」


優しい笑顔の玲央くんに私は大きく頷いた。