「ふ~……ん」



「……。」




ふ…“ふ~ん”って…それだけ…?


でも何だか…“ほんとに嫌っ!!!!”っていう感じは…
なかったような気がする。何でだろう…? ん~……。



やっぱり…玲央くんが好きだから…なのかな…?




「…未亜ちゃん!」



「ぇ…」


ぼんやり、そんなことを思っていると急に名前を呼ばれて玲央くんの方を振り向く。




ちゅ…っ




「っっ…!!」


すると突然…彼は私の唇にキスをした―。




「……ビックリした?」



「ぅ…うん…///」


玲央くんに聞かれて私は小さく頷き、きっと赤くなっているであろう顔を隠そうと俯く。




ドキドキドキドキ…ッ




だ、ダメだよ…いきなりするなんて…!!心臓、持たないから…っ!!!!
もうこんなのが続いたら…私、ドキドキしすぎて死んじゃうよ…っっ




「やっぱり。」



「っ…!?」


自信あり気な玲央くんの声が聞こえたあと…彼は私の肩に腕を回し、そのまま自分の方にグッと引き寄せた。




ぅわぁ…っ!!これされるの、初めてだ…。


前の腰に手を回された時もドキドキしたけど…
これもこれで…すごくドキドキしちゃうよ…っ



てか私…いつもいきなりキスされてるような…。


それって、ほんとに困るんだよ…!?玲央くんは全然分かってないと思うけど…っっ
一応…心の準備ってのが必要なの…。私には何もかもが“初めて”のことだから…。





“小悪魔王子”に振り回されそうな予感がしているけど…
私と王子様との新しい寮生活が始まったのだった――。