「…では。お二人のお部屋はこちらになるのですが…このお部屋の鍵は指紋認証システムとなっておりますので…今から、お二人の指紋をご登録させて頂きます。」
宮崎さんがこの部屋の説明をしてくれる。
へぇ~、鍵が指紋なんだ…。すごい部屋だなぁ…。
「では玲央様からでよろしいですか?こちらに指を置いてください。」
宮崎さんは指紋認証装置に手をかざし、そこへ指を置くよう促す。
その指示に玲央くんは従った。
「ありがとうございます」
そう言って登録作業に入る宮崎さん。
「ねぇ、玲央くん…」
「何?」
「ここって…普段使ってなかったの?」
「ん~…そうなんじゃない?ここって特別室だから」
「えっ…!?」
特別室~!?!?
「じゃあ…今までどうしてたの?この鍵」
「その心配はいりません。誰も住んでらっしゃらない時は、このシステムを使用しておりませんでしたので。ではお次、未亜様…よろしいですか?」
「あっはい…」
宮崎さんにそう言われて私も装置に指を置いた。
「ありがとうございます」
そしてまた登録作業に入る。
そうなんだ!ちょっと安心したかも。
…ピピッ
「…はい。では中へどうぞ。」
さっき宮崎さんに言われたことに心の中で安心していると
登録作業が終わったらしい宮崎さんがドアを開けてくれた。
「どうぞ?未亜ちゃん」
「あ…ありがとう…っ」
玲央くんに言われて私は一番に部屋の中へと入って行く。
廊下を歩いて行ってすぐリビングとキッチン。
部屋は二つの2LKとなっている。だけど…
「広ーーいっ!!」
思わずそう叫んでしまうぐらい、とても広い部屋だった。
何この部屋!!超、超、超ー広いんだけどっっ
今まで住んでいたどの部屋よりも広いよー!!