―それから。
寮へと辿り着き、部屋割の貼られた掲示板を二人で見に行く。
その掲示板にはクラスごとに名前、部屋の階数、室号がズラッと書かれていた。
その中から自分の名前を探し出す―。
「……未亜ちゃん、どこだった?」
「えっと…601号室」
「えっ!?ほんとに?私、602号室だよー」
「嘘ー!?じゃあ隣同士?」
「うんっ!!」
夏凛ちゃんは笑顔で頷いた。
わぁー嬉しいなぁー。入学早々仲良くなった子が隣の部屋なんてっ!!
夏凛ちゃんとお隣さんになれた喜びを噛み締めて係りの人から部屋のカギを受け取る。
そしてそのまま、エレベーターに乗り込み6階まで上がっていった。
「ねぇ、未亜ちゃん」
「なに?」
「あとで部屋に行ってもいい?」
「うん、いいよ」
「ありがとう。じゃあ、あとでね」
「うんっ」
そんな約束を交わしたあと私たちはそれぞれ自分の部屋に入って行った。
ガチャ…ッ
「うわ…何これ…」
ドアを開けて部屋の中を覗く。
思わず、そう言わざるをえなかった。
部屋の間取りは…マンション並の1LK。
広いしキレイだし、お風呂とトイレだって分かれている。
それに…家具とか電化製品だって真新しい感じがした。
ほんとにこれが学生寮なのか疑いを持つほど…。
私はここでも“お金持ち校”の本質を見た気がした。
そうして部屋を一回りしたあと―。
「おいしょっ、と…」
部屋に届いていたダンボールを開けて、すぐに荷物の片付けを始めた。