れっ…玲央くんってば…っっ!!




「どこって言われたら全部ですぅーー!!!」



「はぁ!?全部って何だよ?意味分かんねぇっつーの!」



「別にね!?あんたに分かってもらおうなんて微塵も思ってないからっ!!」



「お前…ほんとムカつく奴だな?」



「私だって同じだわ!!てかそんなことより!未亜ちゃん、もう行こっ」


玲央くんとの攻防を終わらせようとした夏凛ちゃんは私の方に振り向く。



「あっうん。でも…っ」



「ちょー待てよ。…俺も行くんだけど。」


私の言葉は玲央くんによって遮られた。



「えぇ~!?何であんたも行くのよ!?」



「監視すんの!お前が未亜ちゃんに変なこと吹き込まないように!」



「はぁ~!?私がいつ、そんなこと言ったっていうの!?」



「今だし。いーまっ」



「今っ!?別にそんなこと言ってな…っ」



「も、もう止めようよぉ…朝からケンカなんて…」


さすがに“これ以上はヤバイ”と感じた私は二人の間に入る。



「そうだね…。ごめんね?未亜ちゃん」


玲央くんは空いてる方の手で私の頭をポンポンと撫でた。



「……。あんたってさー…未亜ちゃんには、すっっっごい甘いよね?」



「甘いんじゃなくて優しいだけだっつーの」



「……。はいはい、もう分かりましたよーだっ!てかもう、ほんとに行こ?そろそろ混んできちゃうっっ」


夏凛ちゃんのその一言で急いで食堂へと向かい出した―。





―この日から数日後。


あーーんなサプライズが起こるなんて…
誰も予想なんてしていなかったと思う――。