―それから。


食事をしながら、みんなからの質問タイムに突入する。
本当にいろんなことを聞いてくる、この人たち。


だけど唯一、答えなかったことがある。
それは…“プロポーズの言葉”



だって…二人だけの秘密にしておきたいんだもん…っ



そう思っていたのは私だけじゃないみたいで…
玲央くんもその質問には“内緒”を貫いてくれていた。




「未亜ちゃん。」



「え…?」


パーティーもそろそろお開きって所で玲央くんに声をかけられる。



「ちょっといい?」



「えっ…ちょっ…何…っ!?」



すると突然、腕を引っ張られ部屋をあとにした。



「どっ…どこ行くの…!?」



「ちょっと見せたいものがあるの。」


どこかに行こうとしている彼にそう聞いてみると…
彼はそれだけを言って長い廊下をどんどん進んでいく。




な、何だろう…?見せたいものって…。




本当に何を見せたいのか分からない私は彼の背中を見続けて歩くしかなかった―。




カチャ…ッ




ある部屋の前で立ち止まり…彼がそのドアを開ける。



「えっ…これっ…」




その部屋の中には…


私が彼と同じ寮の部屋に住んでいた時に使っていた家具が丸々一式置いてあった。




「…ビックリした?」



「ぅ、うん…」



「これ…ずっと取ってあったんだ。いつか…未亜にあげようと思って。」



「え…っ!?そうなの…?」



「うん。」


私が驚きながら彼を見上げると…彼は優しく微笑む。



「玲央くん、ありがとう…嬉しい…」


彼の愛情に泣きそうになったけれど…
私はそう言いながら彼に抱きついた。



「…どういたしまして。」


彼も私を抱き締めてくれて頭を撫でてくれる。




嬉しい…すごく…すっごく嬉しい…っ!!
だって本当に大好きだったんだもん…っ



っていうか玲央くんは…


私のこと…絶対幸せにするって言ってくれたけど…
私も玲央くんのこと…絶対、幸せにするからね…?





【END】