あれ…?ここどこ?




入ったことのない教室に足を踏み入れていた。



「私この教室…全然知らない…」



「あっそっか。未亜ちゃんって…高校からなんだよね?」



「えっうん。てかそれ…言ったっけ?」



「ううん。この前、小嶋に聞いた」



「夏凛ちゃんに?」



「うん」



「へぇ~、そうなんだっ」


玲央くんから“夏凛ちゃん”の名前を聞き嬉しい気持ちになった。




この前は、かなり言い合いしてたのに…いつの間にかそんな話をしていたなんて。




「それより…こっち来て?」


玲央くんはそう言って私の腕を引っ張り…この教室にある、小さなベランダに出た。



「えっ…なにっ?」



「下見て」


そう言われて私は下を見る。




ぇ、した…?何だろう…??




「うわぁ~!キレーィ。何なの?これ~っ」



そこには…キレイなお花畑が広がっていた。



「ここは裏庭みたいなとこでね?管理人の人が毎日のように手入れをしてるんだ」



「へぇ~、そうなんだー…!!私、全然知らなかった…。でもこれ、ほんとにすごいねっ」


玲央くんにニコニコ笑顔でそう言ったあと私は…そのお花畑をじっと眺めていた。




ほんとにすごいなぁ~。けどこんなにも立派だと…お手入れするのも大変そう…。




そんな時―…、




「未亜ちゃん。」



「え…?」


急に名前を呼ばれて玲央くんの方を見上げた。