―いよいよ金曜日。


今日は玲央くんのお家に泊まりに行く日。
そして…玲央くんと過ごせる最後の一日。


だからなのか…昨日は、あんまりよく眠れなかったし今日も朝早くに目が覚めてしまった。
“なに、この小学生体質…。”と少し自分に嫌気がさしたけれど…準備万端でお迎えを待つ。




「…っ」




はぁ…なんだかドキドキする…。




ピンポーンッ




その時…家のインターホンが鳴らされた。




あ!来た…っ!!




「おはよー、玲央くんっ」



「おはよ。じゃあ行こっか」


荷物を持っていき玄関のドアを開けと、
そこにはいつも通りの玲央くんがいた。



「うん。あ、でも荷物…」



「大丈夫。車で来たから」


玲央くんはそう言いながら私の荷物を持ってくれた。



「ぁ…ありがとう」



「どういたしまして。…はい」


そして…空いてる手を差し出す。



「え…?」



「え?って…悩まないでよ。」


悩む私を見て玲央くんは苦笑いを浮かべる。



「ぇ…ご、ごめん…っ」


そんな姿を見て私は彼の手を握った。




だ、だって…繋いでいいのかな?って思っちゃったんだもん…。




「あ…宮崎さん…?おはようございます」



「おはようございます、未亜様」


車に乗り込むと宮崎さんが運転席にいて、
その彼も心良く私に挨拶をしてくれた。



「…じゃあ出して」



「はい、かしこまりました」


二人の会話のあと…車はエンジンをかけて走り出す。




ドキドキドキドキ…ッ




繋がれた手はとっくに離れたのに…
いつもよりドキドキする気がする…。


何でだろう…?肩が触れてるから…?