『そんなの少しでも長く未亜ちゃんと一緒にいたいからじゃん。未亜ちゃんは違うの?』



「えぇ…っ!?う、ううん…!違わない違わない…っ!!」


少し意地悪なことを言う玲央くんに私は全力で否定した。



『(そんなに慌てなくても…)』



「へっ…?何か言った?」


小声で聞こえなくってもう一度聞いてみる。



『ううん、何でもない』




……?




「でも明日会うのに…何で今日言ったの?」



『こうゆうことは早い方がいいと思って』



「ふ~ん…そっかっ」



『うん。そういや未亜ちゃん、今は家?てか部屋にいる?』



「うん…部屋にいるよ…?」




んん…?急にどうしたんだろう…?




『そっか。今日さー、めっちゃ空がキレイなんだよ。ちょっと見てみて?』



「そうなの…?うん、分かった。」




玲央くんてば…ほんとに空好きだなぁ。




そう思いながら彼に言われた通り部屋のカーテンと窓を開けて見てみる。



『……見た?』



「うん……ほんとだ…キレイ…」


私の目の前には青い空と形の整った白い雲たちがいくつも広がっていた。



『あぁー……今すぐ会いたい』



「え…?」


すると…玲央くんの呟き声が聞こえる。



『だから…未亜ちゃんに会いたい』



「//…」




そ、そんなの…2回言わなくたって聞こえてるよ…。




『ん…?おーい、聞こえてる?』



「うん、聞こえてる…」




ずるいよ、玲央くん…。


私だって会いたいって思ってるのに先に言っちゃうなんて…。
あとだしジャンケンみたいで、もう言えないじゃんか…。




『ならよかった。じゃあ切るね?俺もう行かなきゃだ…。また明日』



「うん……バイバイっ」


そう言って電話を切った―。