「えっあっ…ちょっと怖いなって…」
「大丈夫だよ。ちゃんと繋いでれば。だから…絶対離さないでね?」
「うん…ッ」
玲央くんがそう言ってくれるだけで…とても安心できる、
ような気がする。玲央くんって…本当に頼もしいな…。
「……あっ、スタンプあった!」
玲央くんがそこに置かれたスタンプを押す。
「さっ、早く出よう」
そして足早に理科室を出て行き…
「未亜ちゃん…大丈夫だった?」
出た直後、玲央くんは心配そうな顔を私に向けた。
「うん…大丈夫ッ」
「ならよかった」
玲央くんはそう言って安心したように笑う。
ほんとに可愛い顔で笑うよなぁ…玲央くんって…。
「それよりあと何分だっけ…?30分ぐらいか。このままだと余裕で間に合うし…どっか寄り道する?」
「どっかって……どこ…?」
腕時計を見て言う玲央くんに私はそう聞いてみた。
「俺の…とっておきの場所」
「え!?いいの?私なんかが行っても…」
「うん。もちろん。」
不安になりそう言うと…お得意の王子様スマイルで返って来た玲央くんの返事。
「じゃあ…行きたい…ッ」
「了ー解っ」
そう言って玲央くんは歩き出した。
もちろん、手は繋がれたまま――。
だけど玲央くん…一体どこに連れていってくれるんだろう…?
私まだ…この学校のいろんな場所…全部分からないしなぁ…。
そんなことばかりを考えていると気づいた頃には…
