―高校3年生。


それももう、3学期に突入していた。


夏休みに入る前から周りは受験モードになり私もその真っ只中にいた。
ここよりレベルの高い大学へ進む子、エスカレーターで行ける大学へ進む子。
はたまた…海外の大学へ進学を考えている子。


進学一つをとっても…ほんとに、いろんな子たちがいる。


そんな中で私が選択したのは…エスカレーターで行ける大学への進学。
といっても、ちゃんと試験はある。それに合格しないと当然進学は出来ない。


ここを受けると決めた時も受験勉強を頑張ったけれど…
今はその時以上に頑張っているかもしれない。


だってここは、ただの“お金持ち校”なんかじゃない。
レベルも高くて優秀な人たちの集まる“学校”なのだから。


そんな学校から行ける大学だもの。当然受験だって難しいはず。
私は、みんなの力を借りて必死に頑張った。同じ所に行くために―。




そして…つい先日、その結果が発表された。



ドキドキとしながら手渡された封筒を開ける。
その中身には…“合格”という大きく書かれた文字。



ほんとに嬉しかった。


これも、みんなが協力してくれたおかげだって。



夏凛ちゃん、歩実ちゃん、亮くん、翔くん。



みんなとまた、同じ所で学べるんだ…!って。




だけど…


“一番愛しい人”がどうするのかは聞いていない。
というか…私には全然教えてくれないまま。



ただただ…


“未亜ちゃんの進路が決まったら…ちゃんと話す”



それだけを言われ続けてきた―。




もしかして…


遠くに行っちゃう、とか…もう私の傍にはいてくれない、とか…
そんなこと言わないよね…?玲央くん…。



知りたい、けど…知るのが怖いよ…。