―そのあと。


第二チェックポイントも無事にクリアして第三チェックポイントの理科室に向かっていた時…



『きゃー…!!』



『玲央様~!!!』



などなど…すれ違ったファンの女の子たちの声を数多く聞いた。



「玲央くんて…人気者だよね?」



「そう?」



「うん。めちゃめちゃ」



「まぁ…ああいう子は多いけどね」


玲央くんはそう言うとニコッと笑った。




だからそれが人気者の証拠なんだってっば!




「それよりさー…次で最後だよ?」



「あっうん…そうだね」



「何かあっという間じゃない?」



「そう言われると…そんな気がする…ッ」


私は言いながら玲央くんから目を逸らすように俯いた。




っていうか…


玲央くんはあっという間だったんだ…
私は…すっごく長かった気がする…。


だって…男の子と手を繋いだことなんて今まで一度もないから…
すっごく緊張して、どうしたらいいのか全然分からなくなったし…。



そんなことを思っていると理科室までやって来てしまった。




「…未亜ちゃん」


玲央くんは急に真剣な声で私の名前を呼ぶ。




・・・?




「…なに?」


それに疑問を持ちながら彼を見上げた。



「たぶん…中、暗いと思う」



「え?何でそう思うの?」



「だって、いつもそうだから。」



「あっ…そうなんだ…?」




一瞬、超能力でもあるのかと思っちゃった…。




「うん。じゃあ中入るよ」


そう言うと中に入って行く玲央くん。と同時に私もつられて中に入った。



「……っ」


すると…玲央くんの言った通り中は暗い、っていうか…
電気も消えてて窓は暗幕で隠されていて本当に真っ暗だった。




ほんとに真っ暗じゃん…。私こうゆうの…あんまり得意じゃないのに…ッ



「…どうしたの?未亜ちゃん」


思わず繋いでいた手の力を強くしてしまって…
玲央くんはそのことに気づいたみたいだった。