「うん!お邪魔してまーす!」


そう言う歩実ちゃんの明るい声。



「あれ?もう一人…んん…!?て…!!!未亜ちゃん…っ!?」


亮くんは私の姿に気づき近づいてくる。
そして顔を覗き込むと驚きの声をあげた。



「そうだよ~!!」



「ど、どうしたの…?」


彼の姿に夏凛ちゃんがテンション高めで答えると、
亮くんはまだ驚きながら歩実ちゃんにそう聞いた。



「何かね…?玲央をドキドキさせたいんだって。だから私と夏凛ちゃんで…“今まで玲央が見たことない未亜ちゃんにしよう!”って言って…こうしたんだ。」



「あぁ……そう、なんだ…」




亮くんのこの反応…だめ?なのかな…。




「りょ、亮くん…私、変じゃない…?」


まだ驚いているように見える亮くんに私は少し不安になってそう聞いてみる。



「ううん!っていうかむしろ逆!それに玲央…こうゆう…なんていうの…?好きじゃなかったっけ?」



「やっぱそうだよね?そんな気したんだよねぇ~」


亮くんの言葉に歩実ちゃんは満足げにそう言う。



「へ…?歩実ちゃん、知ってたの?」



「なーんとなく…ね。それに私、幼なじみだし」



「ぁ…そっか…」




だから…玲央くんが好きな感じ、なんとなくって言うけど…分かるんだ…。




「そういや、玲央って部屋にいんだよね?」



「うん、いるよ。」



「じゃあ早速、届けに行こっ?反応が楽しみ~っ」


歩実ちゃんは本当にワクワクした顔をしている。



「そうだね!じゃあ亮くん、ちょっと行ってくるね?」



「はーい。いってらっしゃい」



「行こ行こっ!」


歩実ちゃんが先頭をきって三人で夏凛ちゃんの部屋を出た―。