―約20分後。




「…はい、出来上がりっ」



「うわぁ~。めっちゃ可愛い~!!」


歩実ちゃんの声がしたと同時に夏凛ちゃんの声も聞こえてくる。



「え、え……どんな感じなの…?」



「はい、鏡っ」


夏凛ちゃんの反応に不安になっていると歩実ちゃんから鏡を渡された。




ドキドキドキドキ…ッ




「うわっ…自分じゃないみたい…」


思わず、そう言わざるを得なかった。



鏡に映った自分の姿。それは…今まで全く見たことがない自分の姿だった。
目元やほっぺには可愛らしい色が乗せられていて髪もクルッと巻かれている。


自分で言うのはなんだけど…どこかのお嬢様みたい…。




「ありがとう…二人とも…」



「ううん!これなら絶対大丈夫だよ!」



「そう、かな…?」


自信満々な歩実ちゃんにまだ少し不安げに言うと



「亮くんに電話したから…すぐ来てくれると思う。」


そう言う夏凛ちゃんの声が聞こえてきた。



「え…っ!?いつ連絡したの?」



「今!てか里原くんの部屋にいたんだって。」



「あ、へぇ~…そうなんだ…」


行動の早い夏凛ちゃんに呆気に取られる。



「あ、そうだ。未亜ちゃんは亮くんが気づくまで…何も喋らないでね?」



「あっ…うん…」


彼女からの忠告に返事をした時、ガチャッというドアが開く音が聞こえた。



「ただいまー」


そして…亮くんの明るい声が背中越しに聞こえてくる。



「亮くん、おかえり~!」



「ただいま。あ…歩実もいたんだ。」


リビングへとやってきたらしい亮くん。
その声が段々と近づいてくるのが分かった。




ドキドキドキドキ…ッ




まだ本番じゃないのに…すっごいドキドキする…っっ