「何?なに聞かれたわけ?」



「私の口からは言えない…っ!!」


勢いよく椅子に座った私を見て玲央くんがそう聞いてくる。



だけど玲央くんに聞かれたって…私が言えるはずがない…。
だってこんな恥ずかしい言葉…言えるわけないじゃんか…っっ




「じゃあ漣。お前が教えろ。」



「はいはい」


次に玲央くんは同じく椅子に座り直した漣くんにそう尋ねた。



「え…?」




ま、待って!漣くん…っ!!!




「兄貴と何回ヤったか聞かれただけー」



「ちょっ…!漣くん…っっ!!」



「あぁ~…そうゆうこと?別にいいんじゃない?」


焦る私をよそに玲央くんはいつもの様に態度が変わらない。



「よ…よくない!!だってあの子、まだ中3だよ!?」



「中3?へぇ~、そうなんだ?」




えっ、ちょっ…反応が普通すぎる…。
想像と全然違うんですけど…っ!!




「ってことは、さっき言ってた全員集合って…未亜ちゃんの家族が、みんないるってこと?」



「当ったり~っっ!!」


勘の鋭い玲央くんの問いに漣くんは楽しそうに答える。



「そうゆうことなら俺、挨拶行かなきゃ。」



「えぇ…っ!?いいってば~…」


玲央くんが急に張り切るから私は嫌々そう言う。



「よくないよ!それに、こうゆうことは早くしといた方がいいの!」



「っ…」


今度はそう言われて手を掴まれ勢いよく無理矢理に席を立たされた。



「じゃあな、漣」




バタン…ッ




玲央くんは部屋のドアを閉めてどこかへと歩き出す。



「れ…玲央くん…。ほんとに行くの…?」



「当たり前じゃん」


半歩前を歩き私の手を引く玲央くんにそう聞く。
だけど彼は…自信満々でそう答える始末…。




えぇ~…そんなのいいってば…。
ほんとに大丈夫だからー…。




「…あ。ここかも」




カチャ…ッ




玲央くんが、ある部屋の前で立ち止まる。
そして…目の前にある扉を開けた―。