「うん。未亜ちゃんによく似た…美久(みく)ちゃん?」



「えぇっ!?美久…!?何で漣くんが知ってるのっ!?」


漣くんの口から飛び出した意外な人物の名前に私は驚いた。



「さっき向こうの部屋にいたよ?っていうか…全員集合してた」



「えぇ!?何それ…!?どうゆうこと?」


漣くんの発言に、さらにまた驚く。



「何か…うちの母さんが呼んだらしい」



「えぇ~…」




そんなことしなくて全然いいのに~…。




「あのさ…。さっきから全然、話が見えないんだけど。とりあえず、みくちゃんって誰なの?」


置いてけぼりだった玲央くんが私と漣くんの会話に割り込んできた。



「ぁ、ごめん…。あのね…?私の妹」



「えっ…未亜ちゃん、妹いたんだ?」



「うん。ごめんね?言わなくて…」



「ううん、そんなのは別に全然いいんだけど…美久ちゃんが来ると…マズイことでもあるの?」



「うん…ある、かも…。漣くん、美久に何か聞かれた?」


不思議そうな玲央くんの顔を見つめたあと漣くんにそう尋ねる。



「ん~……あぁ、あれ?」


何かを思い出した漣くんが身を乗り出して私に近づいてくる。



「……。」



『…兄貴と何回ヤったかってこと?』


それに合わせて私も身を乗り出すと…彼にそう耳打ちされた。



「っ!!!や…やっぱり…っっ」


漣くんから事実を聞かされて再び叫んでしまう。




もうっ…!漣くんは仮にも姉の彼氏の弟なんだよ!?
それなのにあの子は…なんてこと聞いてるの…っ!?




なぜだか知らないんだけど…


あの子は、この手の話が好きらしく…よく私に聞いてきた。
もちろん「好きな人いないの?」とか軽い感じだけど…。

だから私に彼氏ができた、なんてことを知ってしまったら…
絶対に聞かれるだろうと密かに思っていたりしていたんだ。