「あ、そうだ!昨日ね?学校に行ったら亮に会ったの。

 そしたら…亮が彼女といる所にたまたま遭遇して…って。
 亮の彼女ってさ…玲央とよく言い合いしてた子だよね?」




あっじゃあ…この子も中学からなんだ…。ってそうだ…。
二人の幼なじみだもんね…?一緒に決まってるよね…?




「あぁ~…まぁそうだけど?」



「今もやってんの?」



「ん~……時々?」



「っ…!」



「あ…!ごめんね?未亜ちゃん。分かんない…よね?」


玲央くんが私を見ると歩実ちゃんも私を見て申し訳なさそうに言う。



「へっ…!?ううん、分かるよ?大丈夫。それに…亮くんの彼女とは友達なの。」



「あっそうなんだ~。ならよかった!置き去りにしちゃったかと思った~…。てか私、このあと用事あるんだった!」


歩実ちゃんは私の言葉を聞き一気に安堵の表情を浮かべて立ち上がる。



「慌しくってごめんね?じゃあまた今度!玲央、未亜ちゃんっ」



「おぉっ」「うん…」


私と玲央くんの声が重なり…歩実ちゃんは部屋を出て行った。




バタン…ッ




「はぁ…」




もしも…あの子と同じクラスになっちゃったらどうしよう…?
それはちょっと嫌だけど…嫌いとか苦手とかじゃなくって…。




「…未亜ちゃん、ちょっと来て」



「っっ…!」


玲央くんは私の手を掴んで立ち上がる。



「な…なに…?」



「いいからっ」


そう言ってどこかに向かって歩き始めた。



「えっ…ちょっ…どこ行くの…?」



「…俺の部屋」



「へっ…?」




何で急に…玲央くんの部屋なんて行くんだろう…?




「ね、ねぇ…!何でそんなとこ行くの…?」



「………」



そう聞いてみても…玲央くんは何も答えてはくれなかった―。