先輩に出会ったのは、桜が舞散る、4月のことだった。


真新しい制服を着て、入学式のために体育館へ向かう私の向かい側から、先輩が歩いてきた。


(うわっかっこいい人!)


それが私の先輩への第一印象。


かなり離れた遠目からでも、先輩はかなり目立っていた。


背がすらっと高くて、くしゃっとワックスでまとめた茶色の髪。


先輩は、数人の友達に囲まれながら何かを話してわらいあっていた。


だんだんと近くなっていく私と先輩の距離。


桜がふわりと舞上がる。