スタートライン~私と先生と彼~【完結】

家に帰り、もらったチョコを開けてみる。大量にあるので、かなり時間がかかる。明らかに義理チョコなやつと、深い意味が込められてそうなやつがある。


『斎藤先生へ
先生の授業は受けたことはないけど、初めて見た時から好きです。
1-2 ・・・・・。』

・・・ごめん。


俺、君の事、知らないや・・・。


何通かこんな手紙が入っていた。


どの子もきっと、少しだけ大人である俺に対する『憧れ』にすぎないんだよな・・・。


最後のチョコを紙袋から出すと、また手紙が入っていた。


『斎藤先生へ』

きれいな文字で書かれた手紙。



「またか・・・」


続けて読むと、俺の手が止まり、胸が激しく高鳴り出すのがわかった。


『この一年間、ありがとうございました。先生の言葉でたくさん励まされました。これから先生も頑張ってくださいね!』




原田 沙知





えっ・・・原田??



なぜ原田からのチョコが入ってるんだ??

俺、もらってないし。

あっ!

あの時・・・

廊下でチョコをばらまいてしまった時に、どさくさに紛れて、自分のも混ぜたんだ・・・。

なんて奴だ・・・。


俺の胸はおさまることを忘れたように高鳴り続けた・・・。


原田からのチョコを持つ手が震える・・・。


「うわぁ、やばい・・・」


嬉しすぎる・・・。

それなのに・・・・なぜ、涙が出るんだ??苦しい・・・。


どうして俺は生徒の事が好きになってしまったんだ・・・。


俺は大切なチョコを握りしめ、いつの間にか眠っていた。