「斎藤の後輩ができるかな?」
そう言って近づいて来たのは、川田先生だった。
久しぶりに『斎藤』って呼んでくれたな・・・。
やっぱり、まだ『斎藤先生』ではなく『斎藤』と呼んでもらえたほうがありがたい。
「原田なら、大丈夫じゃないですか?」
俺は、職員室から見える寒空を見ながら、言った。
「そうだな・・・。原田を見ていると、お前の学生の時を思い出すよ」
川田先生は俺の隣に座りながら、懐かしそうに話し出した。
その横顔は、俺のが高校生の頃と変わっていないようだが、やっぱりしわが増えているように感じた。
「成績はいつも学年トップで、スポーツ万能なのに、偉そうな態度なんてしない。かといって、教師にも媚びたりしない。みんなの質問にも面倒臭がらずに答えてあげてた。辛い時期もあったのに、顔には出さず・・・お前は、成績を落としたな。」
先生は椅子の背もたれにもたれ腕を組み、俺を見た。

