スタートライン~私と先生と彼~【完結】

職員室に帰り、隣の席の高橋先生に原田の話をした。

「原田なぁ、あいつは数学はいつもトップやな。

そこらの理系の男どもは相手にもならんな」


腕を組みながら、笑顔で話す高橋先生もまた、

彼女の実力に感心しているようであった。


俺がそんなことを考えていた時、

「斎藤先生、宿題を集めてきました」

クラス委員の原田が俺の元へきた。

「あぁ、ありがとう」

「失礼します」


春休みの宿題を俺の机に置くとすぐに、彼女は俺の前から立ち去ろうとしたが、すぐには帰したくなくて、言葉を探した。