受験生にクリスマスがないのと同時に、俺にもクリスマスはなかった。
彼女や家庭がない俺には好都合だが・・・。
学校に行けば原田に会える。
不謹慎な教師だよな。
相変わらず原田は、黙々と問題を解いている。
今日は前髪をピンで留めている。おでこが出ていて少し幼く見える。
つい原田に見とれていたら
「せんせ〜この問題教えて〜」
別の生徒からお呼びがかかった。
「これか?こうやって・・・」
「あっ、わかった、わかった!サンキュー」
「”ありがとう”だろ?」
「ありがとうございました」
「よし」
みんな真剣だ。
目標に向かって努力している。
まだ、将来何がしたいかを決めていなく、大学へ行って決める奴もいるだろう・・・。
中には将来の夢の為に、学部を選んでいる奴もいる。
『京府大学 理工学部 応用化学科』
原田の志望している学科。
俺と同じ学科だ。あいつは何を目差しているのだろう。
俺は学生時代、数学も好きだったが、同じくらい化学も好きだった。
将来は、いろいろな物の開発に携わりたいと思っていたのだが、どこでどう間違えたのか、今俺は、受験対策授業をしている。
『教師』は昔からの夢だったから、最終的に選んだんだと思っている。
なぜ数学の教師になったかと言うと・・・。
化学や物理だと、実験の準備が面倒臭そうだから・・・。
って、ひどい理由だよな・・・。
こんなんでいいのかな?俺の人生どうなるんだ?

