スタートライン~私と先生と彼~【完結】

学校に着くと

「じゃあ、卒業したら連れて行ってね〜」

と言い、手越は原田の手を引いて走って行った。


まだ諦めてなかったんかい!

でも・・・卒業したら・・・別に構わないんだよな。


日中、原田を抱きしめた感触が残っていて、幸せな気持ちが50%不安な気持ちが残りの50%占めていた。


不安・・・。



原田に近づき過ぎて、自分の気持ちを抑えられるか、不安になってきた。


もしこの教室で二人っきりになってしまった時、『好きだ』と言ってしまうのではないか?


今朝みたいに、無意識のうちに原田に触れてしまうのではないか?


行動に移すことで、原田を傷つけてしまうのではないか?



考えれば考えるほど、不安が増大していく。


 
そして、彼女が卒業したらこんなことを考えなくても想いを伝えてもいいのではないか?という欲が出て来ている自分に驚いていた。


それよりも、俺のことを教師としか思っていないだろうということを考えると、胸が痛くなってくる。


今までこんなに苦しい想いをしたことがあっただろうか・・・恵美にしろ、今まで付き合った彼女は向こうから告白してくれ、それに俺が応えた。
 


どっちかというと、追い掛けられるタイプなのかもしれない。



しかし、今回は追い掛けている。



しかも・・・5歳も下の女子高生を。



なんて愚かなんだろう・・・俺は。
 


俺は、自分の今の状態に薄笑いを浮かべていた。