スタートライン~私と先生と彼~【完結】

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体育祭の疲れはなんのその。あくる日は文化祭。

うちのクラスは――と言っても俺は副担任なんだが――だんご屋。

クラスの中に家が和菓子屋を経営している生徒がいるので、協力を得ることができ、実現した。

『受験生だから・・・』なんて言って協力しない人間はいなく、みんなで準備をしていた。俺が言うのもおかしいかもしれないが、『いいクラスだ』と思う。

出欠を取りに行くように担任の川田先生に言われ、教室に入ったが、男子生徒しかいないので、やけにむさ苦しかった。


「あれ?女子は??」

俺は一番前の席の矢野に声を掛けた。

「先生が来るの遅いから、着替えに行ってる」

「そっか。ところで、何に着替えてるんだ?」

「俺は聞いてないからわかんねーけど・・・」

矢野が首を傾げながら隣の峰岸の方を向いた。

「メイド服とかじゃねぇ?」

 話をふられた峰岸は、ニヤニヤしながら俺に向かって言ってきた。

「メ、メイド?!・・・ってお前らだんご屋だろ?」

動揺する自分を抑えて、話を戻そうとした。

「ははっ、じゃ、ありえねぇなぁ。ってか見たかったなぁ」

「だよな〜。原田さんのメイド服姿見たかったなぁ」

妄想に包まれている教室を現実に引き戻した。

「出席取るぞ〜」

確かに、俺も見たかった。

原田のメイド服姿・・・。やばっ、俺も妄想しすぎ・・・。