スタートライン~私と先生と彼~【完結】

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「体育祭だからやっぱりジャージだよな・・・」


クローゼットの奥から以前使っていた黒色のジャージを引っ張り出して来た。


体育祭当日は、雲一つない青空が広がっていた。

もうすぐ10月だというのにまだまだ暑い・・・。

予定通りプログラムが進み、いよいよ応援合戦が近づいて来た。


・・・やばっ。


体育祭の応援合戦の前、チアの衣装に着替えて出て来た、原田の姿を見てそう思わずにはいれなかった。

それは、周りにいた男子生徒も同じだったらしく、

「あれ、やばいな。」

と口々に言っていた。なくらいざわざわしてる。

「やばっ、原田めっちゃかわいいやん」

「可愛すぎるよな!!」

「俺、我慢できないかも・・・」

彼等が口々にそういう気持ちもよくわかる。


薄紫で彩られたチアの衣装からは、真っ白な細い腕と、真っ直ぐに伸びた脚が惜し気もなく出ている上に、細い割に出るところは出ていて、それがまた大きすぎずバランスがいい・・・って見すぎだよな。


きっと隣にいる応援団一同も同じように思っていたに違いない。

俺らの視線に気付いたのか、原田が何人かをつれて、俺らの前に来た。

笑顔で走ってくる彼女たちを見て、俺らは息を飲んで待っていた。

目の前に来た原田は、やっぱりきれいで直視できなかった。

声を発したのは原田ではなかった。