『斎藤くん、この問題教えてくれる?』
高校時代、休憩時間になるとみんなが集まって来た。
恵美もそのうちの一人だった。
『斎藤くん、また学年トップやったんやってね』
『うん』
当時、俺は恵美の成績はあまり良くないのを知っていたので、彼女の順位や点数は、あえて聞かなかった。
『私なんて、385番やで・・・』
えっ?
学年って、400人やんな・・・しかも何人か辞めたりしてるから・・・・。
『坂上さん、それやばくない?』
思わず言ってしまった。
『・・・・・・』
やばい、傷つけてしまった。
冗談っぽく言ったのなら、まだよかったが、俺は真剣な表情で言ってしまった。

