スタートライン~私と先生と彼~【完結】


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「隆、悪いな」


悪いと思うなら合コンなんて誘うなよ!

相手の女の子は近くの女子大生。

俺、こういうの苦手なんよなぁ。


さっちゃんよりかわいい子なんているわけないし。


あ〜早く帰りたい。


「ねぇ、笠野くん、サラダ取ろうか?」


「いいよ。自分で取るし」


『私、気が利くでしょ?』みたいなアピールされると嫌になる。


「隆くんって呼んでいい?」

「名前で呼ばれるの嫌いやから」


なれなれしいなぁ。

そういえばさっちゃんと初めて会った時、『さっちゃんって呼んでいい?』って聞いたよな。

あれも、なれなれしかったよな・・・。


「笠野くん、これどうぞ」


鶏のから揚げが目の前に置いてあった。


「ありがとう」

嫌でもお礼だけは言わないとな。

「玲子ちゃん、料理得意なんやって?」

和哉が俺の隣の厚化粧の女の子に聞く。

「得意ってほどじゃないよ〜」

玲子という女は、巻き髪をくるくると指に巻き付けながら、照れた振りをしていた。

「何を作るの?」

さらに和哉が聞く。


「ハンバーグとか、グラタンとかかな?」

「食ってみたいなぁ」


一斉に他の男がに言う。


そんなものばっかり食べてたらメタボになるっつうの!

それに比べて、さっちゃんは・・・。

和食が好きな俺にとってはピッタリなくらい和食党。

きんぴらごぼうが最高においしいんだよな。

あぁ、さっちゃんに会いたいよ。


俺の隣に座っている玲子という子は、まだ懲りずに俺に話し掛けてくる。


「笠野くんに手料理作ってあげたいな。何が好き?」


上目遣いで聞いてくるが、俺にはなんの魅力も感じない。

「きんぴらごぼう」

さっちゃんが作った、きんぴらが好き。

「笠野くんっておばあちゃんっ子?」

「はぁ?なんで?」

意味がわからんし。

「きんぴらなんてお年寄りが食べそうやん」

何こいつ。


「俺、和食党やから」

「そうなんや〜」


俺はさっちゃんが作る物を否定されたみたいで腹が立った。

それにしても香水の匂い、いや臭いがきつい。

香水以上に甘ったるい話し方が耳障りだ。

男がみんなこんな話し方が好きだと思ってるのか?


大間違いやぞ。


俺にとって利益のない合コンはようやく終わった。