スタートライン~私と先生と彼~【完結】


職員室を出るとき、俺と目が合い、軽く会釈をしてくれた。


まずっ、俺見すぎやし!

それにしても奥村って・・・隣のクラスだよな・・・

仲がいいのか?

原田に気があるのか!?

腹の中は、嫉妬心でフツフツと煮あがっていた。


それ以来、奥村の顔を見るたびに腹立たしい気持ちになり、心の中ではかなり睨みをきかしていた。


そして、あいつが数学が苦手なことを知っているので、わざと難しい問題をあてたりしていた。

俺・・・こんなことしていいのか?おそらくアウトだろう。


ちなみに俺は、原田にも難しい問題をあてる。

彼女ならできるだろうし、もしわからなければ質問をしに来てくれるだろうから。完全なる職権乱用である。

そんな淡い希望くらいは許されるだろうか・・・と思いながら毎日を過ごしていた。