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木下達は、冬休みに続いて再びトリプルデートを企画してくれた。
場所は、またまた遊園地。
今回は本当にはぐれてしまいそうなくらい人が多い。
木下達だけじゃなく、さっちゃんともはぐれてしまうのは避けたい。
手を繋いだら・・・嫌がるよな。
ちゃんと近くにいるかを確かめながら歩いたら大丈夫か・・・・・・。
そんなことを考えていたら、後ろに引っ張られている感じに気付いた。
俺のジャケットの裾を持ってる・・・さっちゃんの姿。
「ごめん。はぐれそうやったから」
振り向いた俺に謝る彼女の仕草が可愛らしすぎて身動きがとれなくなってしまった。
謝らなくていいんやで。
俺、めっちゃ嬉しいし!
「さ、さっちゃん、手繋ぐ?」
にやけそうな顔を必死で守り、さりげなく言ったつもりだったが、完全に噛んでしまった。
そして、勇気を振り絞って、右手を差し出した。
握り返してくれたさっちゃんの手は、柔らかかった。
もう、顔なんて作ってられない。
俺は、ニヤニヤしていたにしがいない。
そして、さっちゃんへの想いが、また大きくなっていく。
それと同時に、『フラれるくらいなら、今の状態で遊びに行ったりした方がいいなか?』という気持ちがどんどん大きくなる。
そして、夢心地のデートはすぐに終わってしまう。
帰りの電車の中では、やはり、さっちゃんは誰かを捜しているようだった。
ちゃんと話は聞いてくれてるけど、頭に入ってないんじゃないかな?
そう思うと、やっぱり告白する勇気は奪われる。

