次の日の朝、木下が俺の背中を見つけると、「隆、昨日、どうやった?」と大きな声を出しながら駆け寄ってきた。
そう口にする木下の顔は笑顔で、こちらもつられてしまいそうだった。
「あぁ、ありがとう。彼女にお礼言っておいて」
俺は丁寧に礼を言うのを見て、木下はニヤニヤし始めた。
「で、告白したんか?」
「してないよ」
木下の表情に反するような無表情で俺は質問に答えたると、木下は驚いた顔をしていた。
「なんで?お前、原田のこと好きなんやろ?」
なんでって、フラれるの怖いし・・・。
なんかやっぱり昨日の事も気になるし・・・。
「好きやけど・・・」
言葉を濁していると、木下は俺の肩を叩き、ニッコリと笑いながら言った。
「お前は慎重やからな。まぁ、頑張れよ」
「あぁ」
慎重と言えば聞こえはいいが、ただズルイのかもしれない。
俺は、一見軽そうに見えるが、フラれても会えたりするほど図太い神経は持ち合わせていない。
フラれて会えなくなるくらいなら、気持ちを伝えずに、今のままメールするだけでもいいから、繋がっていたい。
そう、ズルイんだ。

