スタートライン~私と先生と彼~【完結】



正門の前で待っていると、数人の女の子たちがこっちをチラチラ見ながら、通り過ぎた。

やっぱり他の学校の男が待ってたら、目立つよな。


そんなことを考えながらふと、顔を上げると、さっちゃんがこちらに向いて、走って来てくれているのに気付いた。


その姿、めちゃくちゃ嬉しいんですけど!

「り、隆!?」


さっちゃんは目を真ん丸にして、俺の名前を呼んでくれた。


「さっちゃん」

「ど、どうしたの?」


そう聞くと、さっちゃんは息を整えながら俺の話に耳を傾けてくれた。


「手越さんから、今日、さっちゃんと帰れないから一緒に帰ってあげてって。」


やっぱり、聞いてなかったんや。

迷惑やったかな?

でも、ここまで来て引けるか!


「さっちゃん、帰ろうか?」


「あ、うん。ごめんね」


さっちゃんは申し訳なさそうに謝ってくれたけど、俺にとっては滅多にないチャンスだから、嬉しいんやけどね。


「いいよ。さっちゃんと会えるの嬉しいし」


嬉しさのあまり自分の気持ちを出してしまった。

しまったと思い、さっちゃんの表情を見たが、あまり嬉しそうではなかったので、少なからずショックを覚えた。


やっぱり迷惑やったんやぁ・・・・・。


俺のテンションは一気に下がった。

しかし、「あの子めっちゃかわいいな」と、すれ違った男が言ってるのを聞いて、俺は少し気分がよくなった。


なんて単純なんだ。

さっちゃんと一緒に並んで歩いていると、本当に注目を浴びる。

褒められているがわかると、自分の彼女が褒められているかのような錯覚に陥る。

確かに、さっちゃんは、すごく美人で、スタイルもいい。


今みたいな、すましたように見える表情もいいけど、俺はさっちゃんの笑顔が好きなんだ。


電車を待つ間も、会えなかった分たくさん話した。

こうやって話していると、自分が抱いていた不安は飛んで行ってしまう。

電車に乗ってしばらくしたら、さっちゃんが誰かを捜しているかのようにキョロキョロしていた。


「どうしたの?誰か捜してるの?」

「え?なんでもないよ」


と言うさっちゃんは挙動不振だった。


何か言えないことなのかな?


その時は、さほど気にしていなかったが、家に帰ってからいろいろと考えると、やっぱり気になり出した。


好きな人とかを捜してたんかな?


一瞬出て来た疑問は、消えることなく頭の中を覆っていた。