「はぁ?あなたに何がわかるんですか?僕の好きな先生と付き合ってるくせに!」
これまたストレートに、隆に突っかかる彼の目は、これまでに見たことがないような鋭かった。
「三島君、言い過ぎやで」
思わず止めたが、二人は睨み合ったまま。私の声なんて耳に入っていないようだ。
「いいよ。今は沙知と付き合ってるけど、俺は3年間片思いだったからな。辛いぞ〜。はははっ」
隆は、笑っていたが、きっと笑えるような話ではない。
でも、隆の姿を見て、勝てる気がしなかったのか、それ以上は対抗心をむき出しにすることはなかった。
「でも・・・僕は諦めませんから」
隆を睨んで宣戦布告すると、「楽しみにしてるよ」と、言葉は柔らかいものの、厳しい表情で隆は返した。
「さようなら」
そう言うと三島は私たちに背を向けて去っていった。
彼の背中が遠ざかるのを見て、二人してため息をついた。
「ごめんね。変なことに巻き込んで・・・」
「気にせんでいいし。それにしてもさ、さっちゃん、かっこよかったなぁ」
隆は、さっきとは違い、いつもの柔らかな表情に戻っていた。
『先生と生徒は・・・世間からはあまり認められるものじゃない。だから、私は受け入れることはできないんよ』
私はどうしてあんなことを言ったのだろう。
きっと、隆は今でも心配している。それなのに・・・・・・また苦しい思いをさせてしまうかもしれないのに。
酷いことをしてしまった。
でも、私の中には隆だけなんだよ。

