スタートライン~私と先生と彼~【完結】



「2週間で、彼氏から奪ってやるって」


三島くんに言われた通りに話した。そうすると、隆は後ろのベッドにもたれ、腕を組んだ。

「へ〜言ってくれるやん!」


余裕そうな言葉とは裏腹に表情は強張ってる。

気まずい空気が流れる。

私は、何も言えずに黙っていた。

沈黙の時間は、数十秒だったのだと思うが、何時間にも感じられた隆は、無表情でテーブルの上のコップを見つめていた。


「あーあかん!」


突然、隆が髪をくしゃくしゃにして言った。

「せっかく、クールにきめようとしたのに、やっぱり気になるし」


隆は少し情けなさそうな顔をし、俯いてため息をついていた。

「大丈夫やで」


私は隆に近づき、手を取って目をしっかり見つめて言いうと、彼は顔を上げて無理に笑顔を作っていた。


「さっちゃん、ありがとう」

隆は私をギュッと抱きしめた。


「隆・・・ありがとう」


耳元で言うと、隆は「くすぐったい。」と身をよじらせた。


「でもさ・・・・・・」


抱きしめる力を強くして、彼は自信なさげに言った。


「これからさ、さっちゃんが教師になったら、こんな心配ばっかりしないといけないんやな・・・」


「隆は気にしなくていいよ。どうせ、高校生の想いなんて年上への『憧れ』やろうし」


なんとなく口にした言葉だったが、我に返ると、自分の言葉に引っかかった。

私の先生に対する気持ちは『憧れ』やったの?

未だにわからない。


その後、隆は、「これだけは守って」と言った。



告白とかされたら言うこと。

露出の少ない服装で行くこと。

スーツも胸元は開けない、スカートは短いのは履かないように。


「これだけって、結構言ったね」

と、笑いながら言うと、隆は「高校生の性欲をバカにしたらあかんぞ!」と人差し指をピンと立てて、自慢げに言っていた。


「隆もそうだったの?」


と意地悪して聞くと、「いや、俺は・・・」としどろもどろになっていた。