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「さっちゃん、今日は学校どうやった?」
料理を作りながら隆は、まるでお母さんのように私に聞いてきた。
あぁ、小学生の時、お母さんもこんなふうに聞いてくれたな・・・。
楽しかったこと、褒められたことはたくさん話したけど、失敗したこと、友達と喧嘩したこと、叱られたことは、なかなは話せなかったな。
でも、お母さんは、私が何も言わなくても、わかっていた。
「楽しいよ〜。でも授業するのって大変やね」
私は今日あった出来事を言えずにいた。食事を済まし、片付けをして、テレビを観ながらまったりするのが隆との習慣となっている。
「さっちゃん、男子高校生に告白とかされてない?」
冗談っぽく言った隆の言葉に、あからさまに動揺してしまった。
あぁ、やっぱりあなたは、お母さんと一緒。
私が何かを隠そうとしても気づくんだね。
「・・・・・・」
「沙知さん?座りなさい」
彼は、私が何も答えないことに痺れを切らした。
そして、私は子どものように床に正座させられた。
「・・・・・・」
「話してごらん」
隆の真剣な瞳に見つめられて私は石のように固まってしまった。
でも、その目には厳しさだけではなく、優しさも含まれていた。
「担当のクラスの男の子に告白されました」
私は俯いて、話した。私は悪いわけではないのに、追いつめられている犯人のようだった。
「で、何て?」
冷静な口調で隆の質問は続いた。
「えっ・・・・・・好きって」
隆の質問の意図がわからず、三島くんの言葉を答えた。
「じゃなくて、さっちゃんは何て言ったの?」
彼は、落ち着いた様子で、もう一度私に質問をした。
真剣な表情だったので、彼の中で何かを感じているのだと思った。
「彼氏がいるって言ったよ」
私は隆の目を見て訴えた。そう、ちゃんと言ったよ。信じて。
「で、男は?」
表情一つ変えずに、さらに聞いてくる隆は、三島くんがどう出たのかを知りたかったのだ。
私は、正直に話さざるを得なかった。

