「涼、さっちゃんが困ってるじゃないの!あんた、手伝いなさい」
さっきまで、リビングにいたお母さんが台所で何かの準備をしていた。
「え〜もっと、原田先輩と話したい」
「涼ちゃん、私も一緒に手伝うから、行こう」
私は涼ちゃんを誘って、お母さんがいる台所へ行った。料理をしながらも涼ちゃんは喋る。
「原田先輩、料理もできるんやぁ」
感心しながら言う涼ちゃんの手は完全に止まっていた。
「涼、あんたも見習いなさい」
「はぁい」と涼ちゃんは言うと、私の方を向いて、「今度、料理を教えて下さい。」とペコリと頭を下げた。
「隆も作れるから教えてもらったら?」
私は、ちらっと隆の方を見ると、涼ちゃんに言った。
「えっ?お兄ちゃん、料理できるの?」
「結構おいしいですよ。」
そう、隆の料理はおいしい。
私の見よう見真似で、レシピとかを教えてないのに、上手に作るから、私も気を抜いてられない。
「へ〜、大学行く前に、私が教えてあげるって言ったら、嫌がったのに」
お母さんが眉を下げて困った顔をしながら言った。
3人で料理をしている間、隆とお父さんは何かを話していたがその雰囲気は柔らかく、本当に仲がいいことが感じられた。
「さっちゃん、隆をよろしくね」
お母さん様に手を握られて言われた。
「こちらこそよろしくお願いします」
私はお母さんの手を握り返し、頭を下げた。そして、顔を見合わせて笑った。
それを見ていた涼ちゃんが「お姉ちゃんができたみたいで嬉しい!」と喜んでくれていた。

