スタートライン~私と先生と彼~【完結】


「どうぞ」

「おじゃまします」


声が上ずってしまう。


「いらっしゃい」


出迎えてくれたのは、上品そうなお母さん。

うちのお母さんとは大違いやわ・・・。

リビングに通されて、お父様に挨拶をする。


優しそうな表情が隆に似ている。

「こちら、原田沙知さん」


隆が私の隣に立って、お父様に紹介してくれた。


「初めまして、原田沙知と申します。よろしくお願いします」


よしっ!昨日、何回も練習したから、噛まずに言えた!


「隆の彼女がこんなにきれいなお嬢さんだなんてね。ねぇ、お父さん」


お茶を運んで来てくれたお母さんがそう言ってくれた。


「そうやな。嬉しいな」


「沙知さん」


いきなりお母様に名前を呼ばれたことに驚いて、妙に高い声が出てしまった。


「は、はい!」


「沙知さん、さっちゃんって呼んでいいかしら?」


お母さんはニッコリ笑って言ってくれた。


「はい。もちろん」


私は、嬉しい気持ちを全面に出していたにちがいない。

そう言えば、隆も初めて会った時、同じこと言ったよな・・・。

私はそのことを思い出すと、隆の方を向いて笑った。