「実はね、私は高校の国語の教師をしていてね、隆くんの高校の道浦先生とは同級生なんだよ」
「あっ、ミッチー、いや道浦先生ですか?」
隆は少し驚いた顔をしていた。
「隆くんのことをちょっと聞いたら、ものすごく褒めていたよ。成績優秀、スポーツ万能、女の子にもモテていたらしいじゃないか?」
えっ?女の子にモテていた??
なんか嫉妬してしまうな・・・。
後で聞こう・・・。
なんだかんだ言って、和やかなムードで時間が過ぎた。
夕飯が済むと、隆は帰ったが、この後のことを考えると気が気ではなかった。
「沙知、いい男やな」
お父さんがそう言ってくれたことに、本当に安心した。
「聡も隆くんを見習え!」
「俺、隆さんに弟子入りしようかな〜」
なんて嬉しいことを言ってくれるんやろう・・・私が選んだ人を褒めてくれるなんて。
「沙知、隆くんはいい子ね。私の料理、おいしいって食べてくれたし」
私の料理もおいしいって言ってくれるもんね!
心の中で、母親に対抗意識を燃やしていた。
寝る前に、隆に電話した。
「今日はお疲れ様」
『うん。ありがとうね。楽しかったよ』
楽しかったと言う隆の声のトーンで、それが嘘ではないことがわかった。
「明日は隆の実家やね」
『緊張してる?』
「うん。めちゃくちゃ緊張してる」
本当に緊張して、今からドキドキしてるし・・・。
『大丈夫』
「うん」
私は隆の声を胸に抱いて眠った。

