スタートライン~私と先生と彼~【完結】


年が明け、1月2日。

外はいかにも寒そうな風が吹いているのがわかった。

今日は、隆がうちに来ることになっている。


【もうすぐ着くよ。】


と隆からメールがあり、私も緊張してきた。

事前に両親には話してあり、了解を得ている。

母は、隆に会えるというので、美容院でパーマをあててきた。


父も初めて彼氏に会うので楽しみにしているようだ。

歓迎ムードであることが、隆にとっての救いだろう。


ピンポーン♪


隆だ!


私が玄関のドアを開けると、スーツに身を包んだ隆が、緊張した面持ちで直立していた。


「隆、大丈夫?」


なんでスーツ?

普段着でよくない?

結婚の許しでも貰うみたいやん。


「やばい、手汗めっちゃかいてるし」


私は疑問を胸におさめて、緊張する隆の気持ちをほぐそうとした。


「みんな楽しみにしてるから大丈夫やで」


隆は恐る恐る、家に入ると、無駄に大きな声を出していた。


「失礼します」


隆の声が聞こえた途端、母が嬉しそうに駆けて来た。


「隆くん、いらっしゃい」


いつもより高い声で出迎えたことに、私は複雑な気持ちになっていた。



『隆くん』ってなんやねん!リビングに入ると、父と聡がニヤニヤしていた。

正直、気持ち悪い。


「隆さん、こんにちは〜」


「隆くん、はじめまして。沙知の父です」

なんて、軽い家族なんだろう・・・。

普通、『笠野さん』とか言わない?

納得のいかない家族の挨拶に、首を傾げていると、隆が話し始めた。